年末の詞(ことば)遊び

 今年も年末である。 年末になると自分も世間も、なんとなく今年を振り返りまとめようとする風潮がある。 ちょうど一年前のブログでも取り上げたのだが、ピンとは来ないと言いながらも取り上げたくなるのが、「今年の新語・流行語大賞」とか、「今年の漢字」である。 「新語・流行語大賞」の主催は、「現代用語の基礎知識」の自由国民社であり、世相を反映した、文化を共有した言葉を選ぶことで、同社の認知度を上げる効果があったようで、理解できる! 「ナウい」とか「今でしょ」とか「ONE TEAM」など選ばれてきているが、今回のノミネート語一覧30を見ていると、まったく知らないまたは言葉は分かるが…?で5割になってしまう。 昔は使わないまでも流行する経緯は理解できていたのだが…。 幸いまだ大賞はよく知っている言葉から選ばれていた。 選ばれた大賞の評価は止めにするが、一億人のトップにいる方は、どちらかと言うと自分が働くのではなく周りを働かせてほしいものである。 
「今年の漢字」の主催は、日本漢字能力検定協会。 こちらも納得である。 漢字文化の普及と世相の記録という位置づけらしいが、驚いたのは、漢字そのもののイメージが余りよくないための活動らしいということ。 平仮名だけの文章は読むのも大変で、韓国のハングル文字だけの文章を理解するのは大変だろうと常日頃思っていたのだが、漢字の普及活動が必要なのだ。 その協会の本部が京都にあるため、京都を代表する清水寺で発表され、清水寺の偉い住職の方が描くようである。 今年は「熊」、そうかもしれないと思った。 秋口に岐阜県でゴルフをした時、思わず「ここは熊は出ないの?」と地元の友達に聞いたくらいである。 強いて一言付け加えると、去年も書いたと思うが、住職の字が達筆すぎて今年も分かり辛く、目的を知るとなおさら漢字普及に合っているのか首を傾げたくなってしまう。
 
私の今年の漢字は、「秤」にしたいと思う。 はかりは天秤など重さをはかる道具である。 子供の頃、島では海産物は量り売りであり、魚屋さんや魚の行商の方々が持っていた“ちきり”と呼ばれる竿秤があったと思って、調べてみると“ちきり”ではなく、正式には「扛秤(ちぎり)」と呼ぶらしい。 子供の頃の記憶は、真似して覚えるためか微妙に違うことが多い。 今年はバランスのことを考えることが多かった一年であった。 お正月から緊急入院となったが、抗がん剤治療の影響で、血液中の白血球のバランスが崩れたことが原因であった。  何とか退院し普通に生活しているが、今でも白血球のバランスが悪くなると、抗がん剤治療が一時中止になるため気になっている。 仕事においては、これまで何とかバランスを保ってきた社内の幹部クラスの齟齬が大きくなり、様々な変化に対応しなければならず、パートタイマーの私にも影響が及んだ。 正社員であればもっと貢献したいところだが、身体のことや立場を考えると自粛しなければならず、その対応が難しい。 趣味の囲碁やゴルフにおいても今年の新しい発見は「秤(バランス)」であった。 どちらも、自分なりの理屈を探しながらのチャレンジを続けているのだが、囲碁では攻・守、ゴルフでは逸(はやる)・抑(おさえる)なるバランスが大事と感じ始めた一年であった。 ゲームには理屈では言い表せない“気”というものがあり、本人も含めてプレイヤーたちはその“気”を感じながら、流れを掴んだり、手放したりする。 そのためにバランスを取ることが重要で、自分の中で、理屈と心身のコントロールを考えるようになっている気がする。 来年が楽しみである。

今年は「孫子の兵法」など漢詩の一部に触れる機会があり、特に四字熟語に注目したが、大学受験当時から試験勉強として四字熟語が気になっていた。 今年の振り返りとしての漢字一文字のあとの、来年への抱負を四字熟語で表してみようと思う。 その前に折角なので調べ物をしてみたい。 四字熟語と言えば、やはり大相撲の大関・横綱昇進の伝達式での口上を思い浮かべてしまう。 テレビなどでよく目にしていたので古くからの伝統と思いきや、四字熟語が流行り始めたのは、若貴時代以降のようである。 貴乃花の大関昇進時は、不撓不屈(ふとうふくつ)、困難にあってもくじけないこと。 横綱昇進時には、不惜身命(すしゃくしんみょう)、自分の身を顧みず物事にあたること。 難しい! 大関武双山や大関高安は、正々堂々。 横綱朝青竜、横綱鶴竜、大関朝の山は、一生懸命。 何かホッとする! 横綱稀勢の里は、四字熟語は使っていない。 物足りない! なんとなく楽しみに聞いてしまう自分がいるのは確かである。 また、一覧を見ていて気になったのは、決意表明の意味での口上であるとすれば、その地位での戦い方を表してはじめて意味があるのではないか? 言葉倒れになってはいけない気がする。 そんな思いで、私の来年はこのように立ち向かう。 「行雲流水」(こううんりゅうすい)、雲や水が流れるように自然のままに行動すること。 読みはちょっと迷うが、字も意味も解る! 無理に自ら「秤(バランス)」を触りに行くのではなく自然に行動することをモットーとしたい。

今年の振り返りに話を戻そう。 70年も経験してきたシニアにとっても驚くことが、今年のニュースの中には数多くある。 まずは今年の漢字の「熊」への驚き! 熊の個体数が増えたのは分かる。 木の実が不作だったという自然現象も分かる。 ただ、いまだに高齢化した猟友会に頼るしかない体制、かつ計画的に頭数の管理ができていなかったという事実に驚く。 
埼玉県八潮市の道路陥没事故への驚き! 上下水道は市町村の管轄である。 管轄を乗り越えて埼玉県北部の高い所から南部の低い所(人口密集地)へ下水管が続いていた。 その低い所で漏れ出した下水による陥没事故。 全国の老朽化した下水管の総延長に驚く。 闇バイト組織犯罪への驚き! 怖い! どう対策すれば自分を守れるのか分からない。 ほぼ無差別である。 素人集団の電話犯罪・反社会勢力の凶暴犯罪と思っていたが、脅迫されての素人による凶暴犯罪に驚く。 米価格の高止まりへの驚き! 世界で最も美味しい日本の米! 世界で最も高い日本の米! 88もの生産工程があり、減反と補助金政策を続けてきた。 様々な専門家が、様々な策を駆使しても落ちない米の価格に驚く。 問題先送りの国会への驚き! 裏金問題、アベノミクスの是非、統一教会との関係、結論はほぼほぼ見えているが結果を出すのを逃げまくる“よ”与党、政権が見えてくると鋭さを失う“や”野党、あわよくば政権入りと機会をうかがい自党の利益を優先する“ゆ”党、少数与党でも原因解明先送り可能に驚く。 戦後80年、日本は本当によかったのだろうか。 「行雲流水」とか言っている場合ではないかもしれない。 日本全国、老若男女、みんなで、私利私欲を捨てて、不惜身命の決意で、一念発起しなければ危うい!


コメント

  1. 郷に入らば郷に従えを良しとせず、46歳まで過ごし、その後は廻りも気にしながらと思い、なかなかなかなか抜け出せず、理想形最短距離に挑んだ日々・・過ぎ去ったつもりで、この6年過ごしたけれど、知らぬ間に、独走してしまったため、苦しい秋から年末を迎え疲弊してしまいました。話半分、実現できない経営との距離感・・世渡りにたけていない自分を振り返り、水平飛行の2026年にしたいと思っています。

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