2035年花見計画

 茨城県に龍ヶ崎という市がある。 これまで私にとってはいろいろと微妙な街である。 茨城県南部の都市である。 取手市、牛久市、稲敷市、河内町、利根町(後で調べてみるとつくば市とも微妙に接触)に囲まれているのだが、東京方面に向かうときはJR常磐線や国道6号線で牛久から取手に抜け、成田方面に向かうときは国道408号線で牛久・稲敷から河内町を通ることになり、どちらも微妙にかすめる程度で市街地を通らない。 鉄道開通の時に龍ヶ崎市街地経由に反対したとか、最近になって、常磐線佐貫駅を龍ヶ崎市駅に改名したとか、ちょっと引いた眼で見てきた感はある。 ただ、私が龍ヶ崎という名前を知ったのは結構古い。 子供の頃は野球少年でありとりわけ高校野球が好きで、プレイだけでなくトーナメント表や対戦結果を自分なりにノートに整理していた。 その頃のノートに竜ヶ崎一高という高校名があり、名前の格好良さと、当時周りの大人たちに「いち」と付く高校は地元の公立高校で進学校が多いと聞かされていたこともあり、「野球も上手で勉強もできる! 格好いい名前!」と印象に残っていた(長崎県の公立校は東西南北が多そうであったが…)。 今年も桜の季節になり、”いば6”(いばらき夕方6時台という単純なネーミング)というNHKのローカルニュースで、龍ヶ崎の「般若院の枝垂れ桜」が紹介され、よい機会なので今年の「さくら紹介の記事」として行ってみることにした。

当日は生憎の雨、目指す般若院(はんにゃいん)は禅宗の寺である。 車に搭載されたナビでは、土浦からは北から南へ走るJR常磐線の西側の国道6号線で南下するルートを推奨しているが、私はそれに逆らって常磐線の東側を通る県道で南下する。 数分おきに性懲りもなく国道6号線に戻すルートを推奨するが、かまわず南下する。 土浦からは40分ほど走っただろうか。 境界の標識に「龍ヶ崎市」と出てくる。 “龍”と“竜”、今回だけでなく昔から混乱している。 “龍”は当用漢字に含まれていないためである。 戦後GHQは、日本に民主化が進んでこなかったのは学校での国語、漢字を覚えることに時間を使い過ぎているというほぼほぼフェイクニュースから、ローマ字への移行を本気で考えていたらしい。 考え方が今の大統領とも似ている。 日本政府の苦肉の策が、“差し当たり用いる”1850字を選び「当用漢字」としたのである。 そのうち止めるという意味だろう。 ほとぼりが冷めた1981年に95字追加され「常用漢字」と呼ばれるようになったらしい。 政府の誤魔化しの歴史であるが、結果としては良い判断である。 ちなみに今でも“龍”は常用漢字ではないが、龍ヶ崎市は1996年に正式名称を「龍ヶ崎市」としたようである。 いろんなところに戦争が登場するのである。 龍ヶ崎市は人口7万6千人、茨城県11番目の都市である。 雨の平日ということで、人通りも車もまばらであったが、その割に商店が多い気がした。 横断歩道を渡る高校生、ナビ上の付近の状況からしてもおそらく竜ヶ崎一高の“優秀な”生徒たちだろう。

般若院の枝垂れ桜は、樹齢500年(推定)で高さ10メートルはあるようである。 確かに立派である。 当日は雨ということもあり、満開過ぎということもあり、灰色の空ということもあり、立派という言葉以上の気分的な高揚は少なかったかもしれない。 この年になると“また今度!”で締めくくるわけにはいかないが、機会があれば条件の良いときにもう一度訪れたい。 この桜の樹の歴史に興味があったのだが、市の様々な説明を見ていると、あの東北の雄、伊達政宗の代から明治の廃藩置県まで仙台藩の飛び地の領地だったようで、桜よりも興味が湧いてくる。 支所にあたる陣屋は龍ヶ崎に置かれ、飛び地内の中心的な場所となる。 仙台には伊達家が崇拝した愛宕神社があるが、この飛び地の小高い丘にも愛宕神社がある。 二代当主忠宗の創建とあり訪れたがハズレ! 無人の神社であった。 忠宗の側室はこの地の姫で、その後の伊達家の当主には茨城県の血が受け継がれている。 飛び地領地であったからか、龍ヶ崎への交通手段として通り抜ける幹線道路がなく、たぶんそれゆえに領地内の商業や教育に力を入れたのかもしれない。 鉄道としては茨城県にはよく登場する関東鉄道があり、今では常総線(以前紹介した取手・下館間)と龍ヶ崎線(龍ヶ崎・佐貫間の3駅)で営業しているのみである。 

その他の見どころを探してみる。 来迎院、国の重要文化財の多宝塔がある。  一層が方形で二層が円形の二重塔で、如何にも文化財らしい古めかしい木造部に白漆喰の白が際立つ。 ずっと見ていたいような不思議な感覚になる。 市の郊外には龍ヶ崎の名前入りの名門ゴルフコースや工業団地がある。 工業団地の一角には有名なカガミクリスタルの本社がある。 透明なクリスタルガラスの上に薄い色のクリスタルガラスを被せ、江戸切子のような幾何学模様のカットや写実的なグラヴィール彫刻などでの高級感のあるガラス商品を生み出している。 市のホームページを見ていると面白いものを見つけた。 「龍・流連携事業」 流通経済大学は新松戸キャンパスと龍ヶ崎キャンパスがあり、龍ヶ崎キャンパスと龍ヶ崎市が様々な市民交流を行っており、市のホームページにアップされている。 もう一つ目を引いたのは、「コロッケクラブ龍ヶ崎」である。 商工会女性部から始まり、コロッケで街おこしを目指す個人の商店も参加しての活動となっている。 帰りに精肉店に立ち寄り、街おこしの揚げたての4種類のコロッケを購入した。 古いものを大事にしながら、新しいアイデアで市を挙げて取り組んでいるのはすばらしいことである。 外部から見ているだけではわからないが、興味を持って観察してみるといろんなことが見えてくる。 行動を起こしている人たちは立派であり、評論家的発言は意味がない。 直線距離では、守谷、取手同様東京まで1時間圏内である。 龍・流連携事業もコロッケクラブ龍ヶ崎もその活動が花を咲かせる日が来るはずである。 その花見をブログにするのは10年後でどうだろうか? 2035年! せめて私の70代で…。 車の中は揚げたてのコロッケのいい匂いが充満してアクセルを踏む足に力が入るところ、ブレーキと踏み間違えないように集中して、安全運転で帰ろう! 今夜は龍ヶ崎コロッケとビールである!  


コメント

  1. 匿名4/25/2025

    各地で生活構築に努力している人たちがいるのに、国の真ん中は、利権の確保にガードが堅いお役所の吸血対策もできず、ただただいるだけの議員と称するに人々、特に、石バカ!どうにもならんなー

    返信削除

コメントを投稿