69歳!ガバナンスを考える

トランプ大統領就任前から、大統領令で何でもできるみたいな報道が流れていたが、実際に憲法で認められており、執行権は大統領にあるというものらしい。 ただし、裁判所での違憲判断だったり、議会による議決により阻止できるようである。 また、大統領令の執行に予算が必要な場合は議会の承認が必要で、メキシコの壁のように途中で頓挫することもあるのである。 日本でも最近の報道では、年収の壁問題や夫婦別姓問題など、今国会中に議論されるようである。 思い起こすと、これまで私が仕事で関わった案件も、その動機はマチマチだが、法令改正によりビジネスの様相が大きく変貌するケースは多々あった。 殻の中の世界の後半の3社4件のケースを紹介したい。 その前に法律と言われるものの種類と発行者に触れておく。 だいたい法令は3点セットになっていて、国会で決め発行する法律、例えば「労働安全衛生法」、内閣で法律を補足する施行令「労働安全衛生法施行令」(政令)、各大臣が詳細を規定する施行規則「労働安全衛生法施行規則」(省令)となっている。 それ以外にも、県議会や市議会が決定し発行する条例というものがある。 民主主義的な取り決めの中で、守らなければならないルールは多い。

ただ、民主主義的に取り決められたルールは、当然のことながら不具合、つまり犠牲者が発生してからそのことに対する対策として取り決められるものが多くなる。 それ以外には、政府やパブリックコメント(法令の検討にあたり業界からの意見を聞くこと)などで、日本の国益を守るために出てくる取り決めもある。 私には、国益と言うよりも業界の特権とも聞こえてしまうが…。 デパートやホテルの火災が増加した昭和の時代、消防設備は設置されているがとっさに使い方がわからないので、国家資格の消防設備士という専門家を作り、雑居ビルの火災の増加では、ルールが守られていないため消防設備士による消火器、火災報知器などの定期点検が義務付けられてきた。 そのついでと言っては聞こえが悪いが、世界中で日本にしかない消火器の構造(黄色い輪っかの安全栓など)が義務付けられ、外国の消火器の日本への参入を食い止めている。 消防設備士の資格は甲種と乙種があり、甲種は消防設備全般、乙種は定期点検の資格であり、乙種での合格率40%程度で、きちんと勉強していれば難易度は普通レベルとされている。 この頃は資格を取ると言うよりも、設備を覚えるという意味で参考書を購入していた。 次の会社の一般計量士の国家資格の話題にはちょっと面食らった。 
世の中には至る所に数字の記載があり、その数字は誰もがだいたい正確と思っている。 スーパーの食品の容量、スピードメーターや距離表示、騒音レベル等。 それらを表示した人は、その表示が正しいことを証明できる基準器なるものを持っており、その基準器を管理している人が計量士。 騒音、照度、濃度、振動などは環境計量士、それ以外の通常の単位、体積、重量、長さなどは一般計量士の仕事である。 突然、計量士の国家資格を持つべき会社が拡張される話が持ち上がり、資格取得が必須と思われた。 未だに実現していないところを見ると難航しているのだろうが、その動機は、海外からの輸入品の表示が雑すぎることのようである。 動機は国益? 試験問題は理科系の大学入試問題に匹敵する数学、物理、化学の知識が必要で、当時ならまだしも60を越えての挑戦は大変である。 ちょうど65歳の定年再雇用終了の時期であり、またコロナ流行禍であったため、挑戦を諦めることにした。 合格率は、環境計量士20%未満、一般計量士は20~25%である。

現在の会社で直面しているのが、運行管理者である。 これも国家資格。 以前も記事にしているため多くは触れないが、運転手の健康管理、飲酒状態、車両点検の実施状況、運転手の教育、当日のルート確認、非常時の対応指示など、また、毎朝夕の点呼(運転手本人との対話確認)、それら記録の徹底と管理、よくもここまで…と思うくらいになにもかも運行管理者に確認すればよい状態で責任を押し付けている。 とりあえず、法令遵守を担当している身としては、受験を試みようとしたが、立場上営業日は必ず勤務状態になっている必要があり、今の週三日勤務が崩れることに躊躇っている。 最近持ち上がっているもう一つの資格の話がある。 事業場の雇用勤務者が50名を越えたら、産業医との契約、衛生管理者の配置、安全衛生委員会の常設、メンタルヘルスの実施などの措置が必要となる。 その衛生管理者が国家資格なのである。 試験科目は、労働生理(労働環境と身体の仕組み)、法令関連(労働安全衛生法・労働三法)、労働衛生(労働環境と障害)、法令・労働衛生(労働時の有害な環境)となっており、身体の仕組みは学生時代苦手だったこともあり、また今、通院や入退院が増えてきた身としては再確認の意味もあり、また、就業規則と法令の再確認ができることもあり、動機づけになっている。 合格率40%以上、正解率60%以上で、国家資格としては取得しやすいようだが、従業員が50名越える会社に必ず配置となると、国としては資格者を増やす必要はある。 70歳での合格を目指すと宣言しておきたい。

以前、子供らから資格を取っておいた方が良いかどうか相談を受けたことがある。 当時はこのような経験がなかったため、即答で資格に頼るのではなく、まずは自分に何ができるかその能力を試してみる方がよいと回答したことがある。 今であれば違った回答だったかもしれない。 特に計量士のように、自分が旬のときでないと合格率が下がるような国家資格もあり、また、自分が飛び込もうとする業界にはどんな資格があるのか、予習しておくことは無駄ではないと思う。 平成令和で生きている子供たちに、昭和の親父の発言をしてしまったと反省している。 法令遵守(コンプライアンス)とか、企業統治(ガバナンス)などが大きな話題になることが多いこの頃である。 SNS上の“フェイク情報”や“熱狂”だけでなく、昔は信用していた新聞やテレビのメディアですらも世論やステークホルダーや社内の事情に流され、真実を伝えるよりも責められている側を攻めるような社会になりつつある。 その意味では、法令は常に後追いでありまた正しいとも限らず、企業統治は言葉としては正しい道のように聞こえるが、その実は世論に流されている節はある。 法令遵守や資格を持つことも重要であるが、その立場で自分たち集団はどのように判断しどのように行動したか、自分たちはどう思っているのかを日頃から話題にしておくことこそが一番の「ガバナンス」かもしれないと思う。


コメント

  1. 匿名1/28/2025

    自分で責任もって判断できる能力、経験値、情報収集能力、相談先、信用できる他人を持ちなさいと勧めましたよ(#^^#)

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