最近テレビでの歌番組が非常に少なくなっている。 その中で、トーク付き、持ち歌あり、カバーを他の出演者と共演するコーナーが有ったりする長寿歌番組があり、なんとなく見ている。 というか、テレビに映像が流れているというのが正しい表現である。 48シリーズの大勢の若い女性たち、旧ジャニーズまたは世界を席巻する韓国系類似品の若い男性たち、ミュージカル系、昔流行った歌謡曲・演歌系。 歌謡曲・演歌系以外は顔も名前も知らない、興味もあまりない歌手たちである。 ただ、歌の演奏やアレンジを聴くのはどれも楽しい。 そんな中で、長年音楽に親しんできたはずなのに、最近改めて認識し直したことがある。 女性歌手と男性歌手の音域の違いである。 女性の歌いだしでサビ部分の男性が1オクターブ下げて歌う。 男性の歌いだしで途中転調して女性が歌う。 以前会社の仲間とカラオケに行っていた頃、確かミスターチルドレンの全盛期だったか。 概してプロのボーカルは一般人よりも少し高い音域で歌うため、一般人はカラオケの機械で移調(キーを下げる)するか、聞き苦しい高い叫び声で歌うか、幸運にも音域の高い男性は独壇場になる。 そんな時に、女性が男性ボーカルの曲を涼しい顔で歌っていて、羨ましく思ったものである。 音域の低い一般男性は、こだわって移調しない場合は、キーの低い男性歌手の流行りの曲か、古い定番の歌謡曲・演歌系か、聞き苦しい高い叫び声かを選択することになる。
ネット上で調べてみると、男性は地声で、低いソ(仮に【G1】と呼ぶ)から高いソ【G3】までの2オクターブが日本人の平均的な音域らしい。 女性は地声で、【E2】から【C4】までの1.7オクターブらしく、男性の方が広いようである(全音半音を考えずドレミファソラシド(英語圏ではCDEFGABC)の8音階を1オクターブとすると)。 つまり男性が普通に歌えるハ長調のドミソのところ、一般女性はドの音は低すぎて出ないということになる。 プロの男性歌手は平均よりも1音以上は高くなり、【A3】まで出して歌う人がいると、一般女性の高音域がぴったりハマるわけである。 ちなみに私は一般男性よりも少し低いため、叫んでも叫んでも届かないわけである。
カラオケで歌える音域に曲全体のキーを変えることを移調。 これに対して、曲の一部でキーを変えることを転調というらしい。 音楽を今さら極める覚悟はもうないが、代表的な形は残り少なくなってきた脳の落書きページに記録しておきたいと思い、早速ネットで調べてみた。 私が最初に思い当たる転調の曲は、大橋純子の「シルエットロマンス」であるが、ミスターチルドレンの「Tomorrow never knows」、中島みゆき「地上の星」などなど、たくさん出てくる。 そう言えば、高校一年(ギター弾きはじめの頃)の文化祭でクラスメートとフォーク・クルセダーズの「もう25分で」という曲にチャレンジしたことがあった。 軽快な曲で2回の転調が含まれる。 ギターの転調は、人差し指ですべての弦を抑えてそのポジションを上げていく行為で、今でも音を出すのが難しく、左手の握力が続かない。 加藤和彦のギターは軽やかな音色、私はまるで打楽器であったが、なんとか誤魔化したことが思い出される。 ただ、転調には盛り上げたり、雰囲気を変えたりする効果がある。 「もう25分で」は、途中で半音ずつ上がっていくのだが、転調には法則があるのだろうか。 ハ長調のドミソ、和音の英語圏の表記【C】を基調とした転調を考えてみる。 同主調、平行調、属調、下属調の四種類が紹介されていた。 これだけではよくわからない。 同主調は、ドミソの主音のドを固定して、ㇵ長調からㇵ短調へ(【C】から【Cm】へ)。 平行調は、楽譜に#も♭も加減しないで、ㇵ長調からイ短調へ(【C】から【Am】へ)。 ハ長調の主要和音は、ドミソ【C】、ドファラ【F】、シレソ【G】であり、属調は【C】と【G】の関係を利用して、ハ長調からㇳ長調へ(【C】から【G】へ)。 下属調は【C】と【F】の関係を利用して、ハ長調からへ長調へ(【C】から【F】へ)。 つまり、元のハ長調【C】からは、何かの繋がりのある「調に転じる」のである。 もう一つの手法が、前述の半音上下するものである。
早速チャレンジしてみる。 今年7月に掲載した「あの頃の子守歌」という自作の曲がある。 ボーカロイドという音楽ソフトで、男性の音色Kenの歌声でハ長調【C】から始まる曲である。 歌詞は母親が坊やを寝かせ付ける出だしからその成長期の一番、それから坊やが成長後の家庭生活の二番。 女性の音声KaoriとKenが歌い分けることで転調にチャレンジしてみた。 高い歌いだしで途中低く、【C】から【F】への転調を試みた(つまり下属調)が、二人の歌声に無理があり、子守歌にはならないので、移調して調整し、【B♭】から【E♭】への曲にした。 変ロ長調である。 転調の移行部分はぎこちないが、最初はKaori【B♭】でその後Ken【E♭】で歌わせると、納得したというか合点がいったというか、とにかく転調を楽しく学んだ。 一人の弾き語りの歌手の場合、比較的簡単なコード(つまり、楽譜に♭や♯が複数付かない)が多いが、複数ボーカルのバンドの場合にやたらと難しいコード進行の曲になることが多い。 理由は複数人の音域の最適化を狙うことと、曲調を重視することと思われる。 男女混合の有名なコーラス系のグループは、PPM、カーペンターズ、赤い鳥など(自分でも感じるが、かなり古い!)思い浮かぶ。 PPMやカーペンターズは、女性側のマリーやカレンの低音域が印象的だが、プロなりにいろんな工夫があったのだろう。 小学校の音楽の授業で歌が苦手だった子が、大人になってカラオケでやたらうまかったりすることもある。 当時は音域が合わなかったのだろう。 成人男性が出しやすいハ長調の音程では、子供たちにも合いにくかったはずである。 ちなみに、ハ長調【C】の音階が楽器としても一番演奏しやすく出来ている。 音楽が現在の形で表現されるようになった頃は、楽譜を書く人も読む人も男性だったのだろうと想像する。 こんなところにも男性社会の名残が…。 転調への挑戦が思わぬ結末になってしまった。



G3出たらいいなー。裏声になっちゃうんだよなー E3怪しくて、F3は飲んでたら出る。何とかなるもんだろうか?
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