坂の東の地

 平成の市町村合併で、新たに以前はなかったイメージの湧かない市が現れた。 私の中でその一つが坂東市! 茨城県南西部の都市。 茨城県が西に突き出している場所であるが、群馬県、栃木県、埼玉県、千葉県との県境が微妙な地域である。 以前ブログの「潮来」「結城」の記事で掲載したことがあるが…、利根川と県境の微妙な所、潮来・佐原付近ともう一つがこの地域である。 以前から興味がある地域なのだが、JR常磐本線/常磐自動車道とは違い、JR東北本線/東北自動車道の地域で、この辺りはなかなか探索することはない。 今回、幸運にも訪れることができ、茨城県と千葉県の微妙な県境に触れることができた。 結論から言うと、江戸時代に入ってからの治水、東京湾に流れ込んでいた利根川を東の湿地帯への流れを作り、その上で海運のための運河で現在の江戸川をつないだ、その地点の千葉県の関宿町(せきやど)、チーバ君という千葉県のマスコットの鼻の先部分である。  関宿城という鉄筋コンクリート4階建てのお城風の博物館があり、江戸時代の治水の歴史を感じる資料が並んでいたが、4階の展望台からでは低すぎるのかはっきりとはその分岐は感じられなかったが、展示資料でははっきりとわかる。

坂東と言えば、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でたびたび登場する関東1都6県の素朴で勇猛な武士たちのことを思い出す。 静岡から神奈川に入る辺り、金太郎でおなじみの足柄山の「坂の東」を意味するようで、10世紀までの都から見ると、”その他の地域”かもしれない。 当時は農地は国のもので開拓しても一代で国に返すという社会主義みたいな仕組みだったようで、行き詰まりを見せていたため、墾田永代私財法(懐かしい響きの言葉)により、開拓した土地は私有地に…。 私有地は自分で守る必要があり、開拓→農業→防衛(武力)という農民兼武士、「素朴で勇猛」な武士が誕生する。 エスカレートすると、知名度・財力・武力などにより権力のある貴族・豪族を頼り集約されていく。 東国(坂東)は西国よりも土地が広く開拓し甲斐があるため、より「素朴で勇猛」なのである。 歴史上、最初の「素朴で勇猛」な登場人物は、平将門! 血筋的には皇族の子供であり、決して素朴とは言えないのだが…。 出身は下総(千葉県北部、茨城県南部辺りか?)であり、坂東市辺りを本拠地に活躍したらしい。 そこからの流れで坂東武者が活躍する鎌倉殿(武家の政治)になるわけである。

坂東市のさらに西には、古河市という市がある。 時代は室町時代に入るが、将軍の所在地が鎌倉から京都に移り、京都の将軍は「坂東」で目を光らせるために自分の息子を派遣し「鎌倉公方」とした。 室町時代中期以降になると、「鎌倉公方」から分かれて「古河公方」ができた。 その地が「古河(こが)」である。 今でも、古河公方公園という公園はあるが、残存している施設や名所は少ない。 もともと「公方」とは貴族の称号だったようであり、将軍にその称号が与えられたのが始まりのようだが、将軍以外にも関東で一番偉い人という意味で将軍が使うことを認めたとか…。 関東管領という役人としての役職とは別に存在したが、公家的な要素が強い気がする。 江戸時代には、古河城と呼ばれる関東有数のお城があったようだが、明治に入ると取り壊され、河川工事に使用され、記念碑が残るのみとなっている。 洪水で悩まされた地域であったということだろう。  

話は坂東から横道に反れる。 大河ドラマでの鎌倉幕府二代将軍は驚きであった。 私の勘違いでなければ、50年前の日本史の教科書では二代将軍は源範頼であり、三代将軍実朝で将軍家は途絶え、その後は執権北条氏が鎌倉幕府を継続させると記憶している。 当時、非常に違和感があった。 なぜ将軍無しで存続できたのか? 今回、二代将軍が頼家だったことを知り、もしやと思いそのままネットで調べていくと、鎌倉幕府は実朝の続きがあった! 源氏の頼朝直系としては三代実朝で終わっているが、清和源氏の血を引く天皇家から四代、五代将軍、その後はあまり興味もなく「へぇーー!」と感心した程度だが、九代まで続いた。 ネット上には様々な情報が散乱し、学問的に正しいこともいい加減ないわゆるフェイクニュースなど識別は困難である。 また時の権力者自身が真実を捻じ曲げながら自分を肯定する書物(これも当時のフェイクニュース?)を残すため、何が真実かわからなくなる。 自分にできることは、合理的に考えて合点が行く結論に一票! ということになる。 鎌倉幕府についてはこれで合点が行く。 以前興味があり掲載した明治維新に関する英国の関与は、最近NHKでも特集が組まれていた。 違和感は他にもあるが、私が生きている間に、もう少し合点がいく歴史の解明があるとスッキリする。

都道府県魅力度ランキングという調査がある。 何度も書きたくなるのは私自身ちょっと意識過剰かもしれないが、不幸にも茨城県は昨年が最下位の47位、2022年は46位である。 ライバルと思われていた北関東の隣県はこの2年は40位前後と水を開けられている。 重箱の隅を突付くような話題だが、そういう茨城県にも全国1位、2位を争うようなものはたくさんある。 例えば、レタスや白菜の生産量。 都市圏まで50km以内の茨城県南西部、今回のお題の坂東の地、この辺りが産地である。 意外なところでは、ビールの生産量は大手2社の工場が県南に立地することもあり、全国でダントツの1位である(今後も機会があれば日本一を紹介したい)。 坂東武者たちが開拓し走り回った広大な土地と、江戸時代の治水で開かれた豊富な水と交通の便のおかげで、白菜の入った鍋でも食べながら、おいしいビールを飲むことができるわけである。 レタスや白菜畑の広がる魅力度としては見るところの少ない地域だが、歴史や地理的要素を思うと興味深い地である。 人気度ランキングは忘れて、先人たちに感謝しながら、今日も鍋・ビールで…。







コメント

  1. TVでの芸能人コメントが影響してるんじゃないかな? 栃木、茨城、千葉、群馬、福島、変わらず自然の多い良い土地柄だと思います。アメリカのシカゴ郊外を思えば、ゆったりした良さが実感できるはず。東京都心のイメージが強すぎて、あれが標準だと思うと間違うよね!(^^)!

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