シニアの挑戦…筑波山登山

 小学生の時に夏休みの自由課題で、立体地図を作ったことがある。 父親が地方公務員だったこともあり、生まれ故郷の島の地図をもらったことから始まる。 等高線をセロファン紙でなぞり、ボール紙に貼り付けて形通りに切る。 これを何度も繰り返し、標高の低い順番に貼り付けていくと、ボール紙のデコボコした島が出来上がった。 もう少し細かく作れば出来栄えも良かったろうという感想を持ちつつ、いつか機会があれば再挑戦したいと思っていた。 と、思いつつも挑戦しなかったのは、ちょうどよい地図が手に入らないことと、時間と根気がないことであった。 今も根気はないが、時間は有り余っている。 その上、茨城県には国土地理院があり手頃な地図が手に入る。 国土地理院と言えば、プロ野球選手になる夢を諦めた頃、中学生になったばかりの頃だったか…、国土地理院で働いてみたいと思ったことがあり、当時ちょっと調べてみたが、敷居が高すぎてすぐに諦めた記憶がある。

ワクワクしながら、国土地理院の博物館と売店のあるホールへ。 ホールいっぱいに日本地図が描かれており、西のハズレには当然私の生まれ故郷の島も、いつもは米粒ほどの大きさがここでは私が片足立ちできるほど大きく表現されていた。 関東平野の緑に北から南に半島のような山々が突き出しており、その先端が筑波山。 877mの山が関東ではなぜ有名なのか、このブログの掲載を始めた頃、一度調べたことがあった。 理由の一つは、まさに関東平野に突き出した山なのである。 海底深くでマグマが固まり、例の大陸プレートの活動で隆起し、侵食されてできた奇妙な形の山、最も標高の低い日本百名山の一つ。 筑波山のパンフレットには「西の富士、東の筑波」。 なんか富士山に失礼な気がする。 温和な静岡の友人も怒るかもしれない。 関東地方には身近な山が筑波山しかないため、霊峰であり、神社があり、なだらかで登山の初心者向けの山でもある。 以前子供の遠足の同伴で登ったことがあったか…。 ケーブルカーとロープウェイで山頂まで行くことができる。 山頂からは、眼下の街だけではなく、東京のビル群、関東平野全体、天気の良い日は富士山も見ることができる。 

自然が豊かで、動植物の宝庫である筑波山。 標高は低いが植物の垂直分布(低い所と高い所に生息する植物が両方観察できる山)が見られ、また、南限と北限の両方の植物が生息する興味のある人には面白い山らしい。 前述の通り南側山腹には筑波山神社がある。 表現の仕方が違ったか…言い直すと、筑波山は筑波山神社の境内地にある。 本殿は筑波山頂、山腹には拝殿がある。 山の南側のなだらかな地形は、日当たりがよく温かい環境で、温泉宿が数箇所あり、北限のミカン栽培が盛んである。 麓の市町村では、果物、銘酒、そばその他様々な名産もある。 1980年代の市町村合併で「つくば市」が誕生。 ひらがなの都市名は当時は青森県の「むつ」と「つくば」の二つだけだったと記憶している。 国土地理院だけではなくJAXAや産総研など多くの政府研究機関、筑波大学などが引越しして人工的に作られた都市である。 近年、つくばエクスプレス(TX)という交通手段も開通し、秋葉原から特急で45分。 ハイセンスなイメージの「つくば」と、筑波山を代表する自然豊かで田舎の観光スポットとしての「筑波」のコントラスト。 整備された道路から一歩中に入ると田舎状態が残っている。 ここで一句…

稲架(はさ)掛けの 車窓にそびゆ 筑波山
(稲刈り後の稲を束ねて自然乾燥させている風景を、郊外に延びる整備された片側二車線の道路を通る車の窓越しに見ていると、遠くそびえる筑波山が雄大であった、と詠んだつもり)

筑波山自体というよりも、こんなコントラストのある風景や街そのものが、私は好きである。 ともあれ、この山はこの地域のシンボルであることには変わりはなく、万博のロゴや近くの市のマンホールなど様々なデザインに使われている。

立体地図に戻るが、その様な「筑波」の地図を購入し、海抜10mから10m間隔にカーボン紙上で等高線をなぞり、0.5mmの厚さの紙に複写すると、筑波山頂まで87層の43.5mmの起伏の立体地図が完成する予定である。 直線距離で太平洋から30~40kmの地点で、海抜10mの等高線をなぞるのが、最初の驚きであった(もしも温暖化で海面が10m上昇したら、この辺りも海かも?)。 子供の頃の夏休みの課題よりも格段満足できる立体地図が完成する予定である。 図画工作が不得手だった私にしては、失敗を繰り返し途中で諦める分野の挑戦なのだが、シニアらしく根気よく、諦めずに、この立体地図が完成することを期待して継続したい。 筑波地方の地図を購入する時に、国土地理院の売店の女性の方に、立体地図を作るための地図と伝えたら、地図よりも完成している立体地図模型の購入を勧められた。 心が動いたが、その提案をキッパリと振り切り、877mの山を10mずつ登り始めたわけである。 登山には初心者向けなのだが…。 私の好きなデジタルの世界では、3Dプリンターなるもので難なく作れる立体地図のようだが…。 登り始めたわけである。 25年ぶりである! いや、55年ぶりでもある…?

コメント

  1. 忍耐のいる作業だね。完成したら見せてね。囲碁、将棋、俳句、山登り、音源作成、リモートセッション、モデルづくり・・ なんか一人遊びツールがそろってるみたい。夫婦の接点もいるんじゃないかな~     (^_-)-☆

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